画を描くことで心の状態がわかり、問題の本質が明らかになることは、お分かりいただけたと思います。でも、それで「終わり」にしてしまっては、何の解決にもなりません。問題を解決するためにはどうすればいいか考え、実行に移すことが重要です。
この「自分で考える」ということが、最も重要だと当スクールは考えます。もちろん、セラピストもアドバイスをしますが、最終的に行動するのは自分自身です。
「自分で考えること」が重要ですから、そのためには、自分を客観的に見たり、あるがままを受け入れることが必要になります。その過程で、他人とのコミュニケーションも求められます。
心に厚い壁をつくっている人は、外側から自分を見る経験に乏しかったり、他人から意見を言われることを拒絶する傾向にある人が少なくありません。しかし、そこに画という“鏡”を置くと、心の壁を楽々越えることができます。心の状態が、目の前の画に映し出されているのですから、自分を素直に客観視できますし、他人のアドバイスも素直に受け入れることができます。
このように、当スクールが提唱するアートセラピーは、ただ画を描いて“心の状態”を把握して終わり、というものではありません。内面を認識した上で、次にどうつなげていくか……むしろ、そちらのほうが大切だと考えています。