画像:森と草原アートセラピーは「芸術療法」と訳されていることからもわかる通り、わが国では長い間、精神疾患の治療法として認識されてきました。もちろん、間違いではありませんが、それは、アートセラピーの一面でしかありません。アートセラピーは治療法としてだけでなく、心や美にかかわる広い分野に応用できる可能性を持っています。ちなみに欧米では、医学分野の出身者だけでなく、心理学や美術の分野からアートセラピストへの道に入った人も数多くいます。

ところで近年、人々は「癒し」に強い関心を寄せるようになりました。それだけ多くの人々が、心に“疲労”や“違和感”を感じている証拠でしょう。しかも、疲労や違和感の原因がよくわからない――いわば、深い森の中で、どちらへ歩いて行けばいいかわからず、途方に暮れているような状態です。
そうした“心の不安定”は、多くの場合「病気」というレベルではありません。しかし、そのままにしておいては快適な日常は送れませんし、最悪「病気」に悪化する可能性もゼロではないでしょう。

セミナーの様子そこで、アートセラピーを「生きづらさ」を感じている心を癒す方法として活用しよう……と、当スクール代表・黒須美枝は考えました。「メンタルケア」としてのアートセラピーです。画を描くことで自分の心を見つめ直し、抱えている問題を解決する方法を探り、明日への希望を持った強い心に替え、明るい未来への道へ導く“お手伝い”をさせていただく……それが「黒須メソッド」によるアートセラピーです。

したがって、当スクールでは「アートセラピスト」という呼称を、精神医療の現場等で活躍する専門家に限定せず、もっと広い意味で捉えています。アートセラピーの方法を用いて、自分や他の人の心の中の問題を明らかにし、それを基に解決の方法を探り、導くことができる人が「アートセラピスト」であると考えます。

「心の森の“道先案内人”」――それが、当スクールが考えるアートセラピストです。

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